方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―

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武田家四姉妹~おんな風林火山

人の世の定めとは何であろうか?
この物語は、戦国の世に生を受け、骨肉の争いを余儀なくされた武田家五姉妹の、その中にあって敵将との純愛を貫き通した松姫の、数奇な運命を描く壮大なロマンである。

昔、おんな風林火山というドラマがあった。
知っている人、いますか?
まー、多分、ほとんどの人は知らないと思うけど。。。
上のオープニングのセリフも良かったけど、オープニング曲の「Love is all」がこれまた良かった。

ところで、このおんな風林火山の裏番組は、独眼竜政宗だった。
独眼竜政宗と言えば、大河ドラマ史上最高傑作の誉れ高く、平均視聴率も大河ドラマ1位の作品。
そういう事実もあって、おんな風林火山を知っている人はいない。

ちなみにですが、独眼竜政宗のキャストは、次のとおり。

伊達政宗:渡辺謙
伊達輝宗(伊達政宗の父):北大路欣也
義姫(伊達政宗の母):岩下志麻
最上義光(伊達政宗の伯父):原田芳雄
豊臣秀吉:勝新太郎
徳川家康:津川雅彦

これだけ見れば極道の妻たちですよ(笑)。
また、当時、抜群の人気を誇った後藤久美子も出ていた。
これだけ見ても、NHKの力の入れようが分かりますねー。

ただね、おんな風林火山だってキャストは負けていなかった。
なんせ、製作は、あの大映テレビ。
スクール☆ウォーズ、スチュワーデス物語などを作った名門のテレビドラマの制作会社。
そして、このおんな風林火山にも、大映テレビおかかえのタレントが惜しげもなく投入された。

松姫(武田信玄の五女で主人公):鈴木保奈美
菊姫(武田信玄の四女):伊藤かずえ
武田信玄:石立鉄男
上杉謙信:山下真司
北条氏政:梅宮辰夫
織田信忠:松村雄基

しかも、大映テレビと言えば、

・主人公が運命の悪戯に翻弄されながら幸運を手に入れるという、いわゆる「シンデレラ・ストーリー」
・衝撃的で急速な起伏を繰り返したり、荒唐無稽な展開。
・「この物語は・・・」の台詞がオープニングに挿入され、ストーリーの最中では一見冷静な体裁をとりつつ、時に状況をややこしくするナレーション
・出生の秘密を持つキャラクターの存在。
・感情表現が強烈で、大げさな台詞、物音を誇張する。(特に殴られた時の、ビシッ、バシッの音)

という、独特の素晴らしい特徴があった。
ウィキペディアによると。
要は「ありえない」って感じ。
そして、それは、おんな風林火山でも同じだった。

それで、このおんな風林火山、事実には基づいていた。
事実に基づいた上で、荒唐無稽な内容だった。
戦国時代にあって、敵国どーしの若君と姫君が純愛を貫くなんて、多分、ないはず。
しかも、松姫がまだ見ぬ信忠に会うために、馬をかけていくシーン。
やっぱり、ないと思う。
でも、ドラマとしては、本当に良かった。
感動した!!

一番のハイライトは、「召しませわが命・高遠」と「戦場に散った恋」。
信忠のことを思いながらも、武田家を捨てることもできない松姫。
で、松姫も高遠城にこもり、織田信忠と戦うも、高遠城は落城。
その後、武田家も滅亡。
そして、松姫も落ち武者狩りに捕まり、織田信忠のもとに送られる。

確か、農民姿に変装した松姫を見た信忠が、「こんな娘が松姫であるわけがない」って言うわけ。
で、その娘に「どこかで、お前のことを思っている奴もいるだろう」みたいなことを言うと、「早くこの場から立ち去れ」って言うのね。
このあたりは、「松姫どうなるんだ?」ってハラハラしながら見ていた。

というわけで、ここからは武田家五姉妹を簡単に紹介します。

◆黄梅院
武田信玄の長女。
相模国の大名で関東一円を治める北条氏政に嫁ぐが、信玄が北条家との同盟を破棄したため、武田家に戻される。
氏政との夫婦仲は良かったと伝わる。
北条家最後の当主となる北条氏直の母。
新説によると、武田家と北条家の同盟破棄後も、北条家にずっといたとか。

◆佐保姫
武田信玄の次女。
武田家家臣であり、武田家中の親族筆頭であった穴山梅雪の妻。
武田家滅亡後も徳川家に保護され、保科正之(徳川秀忠の子ども)を養育したことで有名。

ドラマでは、敵将・織田信忠の許嫁である松姫をいじめていた。
まー、いじめ番長みたいな感じ。
しかも、夫・穴山梅雪が、戦いで軍令違反をしたり、最後は武田家を裏切るにもかかわらず、佐保姫自身はそれを悪いと思わず、いつも強気な性格で動じる気配がなった。

◆真理姫
武田信玄の三女。
信濃の豪族で信濃四大将の一人と謳われた木曽義康の長男・義昌の妻。
ドラマでは、佐保姫と同じくいつも松姫をいじめていた。
夫・木曽義昌が武田家を裏切り織田家へ寝返った際には、その事実を武田家当主・武田勝頼に報告する。
但し、見せしめのため、人質だった母と子どもたちは処刑されてしまう。
武田家滅亡後は、木曽の山中でひっそりと生活したと伝わる。

◆菊姫
武田信玄の四女。
ドラマでは、伊藤かずえが演じていた。
五姉妹の中では、唯一松姫のことを守っていた。
一度だけ、菊姫につらく当たるシーンがあったように思うけど。。。

武田勝頼が上杉景勝と同盟を結んだ際に、両家の橋渡しとなるべく景勝のもとに嫁ぐ。
その結果、武田家滅亡の際は、難を逃れる。
上杉家が滅亡寸前に追い込まれた際は、夫・景勝を支える。
後世の評価としては、才色兼備の賢夫人と呼ばれているようです。

◆松姫
武田信玄の五女。
ドラマでは、鈴木保奈美が演じていて、このドラマは、鈴木保奈美の主演デビュー作となる。
武田家と織田家の橋渡しとして、幼くして、織田信忠のもとに嫁ぐことが決まる。
ところが、武田家と織田家が敵対すると、武田家内での立場を失う。
そして、毎日、姉たちからいじめられる。

でもね、そんな状況でも、松姫はいつも優しい心だけは忘れなかった。
人質として武田家に送られてきた織田勝長に対しても、いつも優しかった。
もちろん、ドラマの中の話で、実際は知らないけど。
ただ、調べた範囲では、小さい子どもに勉強を教えたとか、(佐保姫と一緒に)名君の誉れ高い保科正之を養育したとか、そんなことが書かれてあるから、子煩悩なところはあったのかもしれない。

あと、ドラマの最終回のナレーションで、松姫が八王子まで落ち延びて、松姫が過ごした場所がお寺として残っていて、そのお寺が経営する幼稚園が松姫幼稚園というのを聞いて、僕は「こういう形でも松姫の名前が残っていて、良かったな」と思ったのを覚えている。

今回はこの辺で。

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