方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


スポーツ新聞の見出し

スポーツ新聞の見出しは面白い。
とても練り込まれている。
特に、一面のレイアウトや文言は、うまいなーって思う。

それで、スポーツ新聞と言ってもいくつか会社がある。
で、会社に応じたカラーというのがある。

東京スポーツ  :とにかく見出しが面白い。スポーツ新聞の王者。
デイリースポーツ:阪神タイガースを応援するスポーツ紙。
スポーツ報知  :読売ジャイアンツを応援するスポーツ紙。
サンケイスポーツ:ヤクルトスワローズを応援するスポーツ紙。
日刊スポーツ  :東京スポーツの赤に対して、こちらは青を基調としている。アダルト面がない。

で、ここからは、ちょっと東京スポーツのお話。
スポーツ新聞の話をするのに、東京スポーツを避けて通ることはできない。
東京スポーツというと、「日付以外は全て誤報」と言われたりもする。
決して、ウソを書いているわけではない。
全ては、エンターテインメントを追求した結果である。
アッコにおまかせで、「エキサイト新聞、東スポ」と言われるのも分かる。

以前、東京スポーツの記事が名誉棄損で訴えられたことがあった。
で、一審では、次のような評価を下されている。
だいぶ長くなるけど、良かったら読んでみてね。

「被告のリポート記事の類は、社会的事象を専ら読者の世俗的関心を引くようにおもしろおかしく書き立てるものであり、東京スポーツの本件記事欄もそのような記事を掲載するものであるとの世人の評価が定着しているものであって、読者は右欄の記事を真実であるかどうかなどには関心がなく、専ら通俗的な興味をそそる娯楽記事として一読しているのが衆人の認めるところである。そして、真摯な社会生活の営みによって得られる人の社会的評価は、このような新聞記事の類によってはいささかも揺らぐものでないことも、また経験則のよく教えるところである。したがって、このような評価の記事欄に前記のような内容の記事が掲載されたからといって、当時の原告が置かれていた状況を合わせ考慮すると、記事内容が真実であるかどうかを検討するまでもなく、原告の社会的地位、名誉を毀損し、あるいは低下させるようなものと認めることは到底できないものというべきである。もっとも、本件記事が名誉毀損にわたるものではないとしても、思わせぶりな前記見出しの掲げ方とともに、被告らにおもしろおかしく前記のような記事として取り上げられたこと自体が、原告にとって不快なものであろうことは推認できないではない。しかし、当時の原告の置かれた状況並びに世人から寄せられていた関心の高さと、その性質及びそのような関心を寄せられたとしてもやむを得ない状況にあったこと、右記事から既に六年以上が経過し、右記事自体の陳腐さが明らかであること等の諸事情に照らすと、右記事の掲載に損害賠償をもってするほどの違法があるものとも認められない」

なんだろう、スポーツ新聞と言えども「新聞」なのに、このボロクソな言われよう。。。
ちょっとかわいそうか。。。
でも、東スポの見出しって・・・

●カッパ発見
●ネッシー怒る
●ネッシー生け捕り
●マドンナ、痔だった
●UFO大群 八王子に出現
●プレスリーは生きていた
●大仁田爆死
●阪神次期監督上岡龍太郎
●前田敦子ヌード
●ダイアナ大胆乳
●電線に止まったUFO 地球の電気を泥棒か?

こんなことを書いてあるのね。
こんなの、東京スポーツだから許されるけど、朝日や毎日がこんなの書いたら、潰れると思う。
でも、この見出しこそが、東京スポーツの魅力だったりもする。

次に、デイリースポーツ。
デイリースポーツは、神戸新聞社から出されているスポーツ新聞。
神戸のスポーツ新聞なので、どうしても阪神タイガースよりの内容となる。
そもそも、兵庫県の情報媒体御三家である、神戸新聞、デイリースポーツ、サンテレビは、阪神タイガースを応援する体制が取られている。

2016年のFIFAワールドカップ(南アフリカ大会)で、日本の初戦はカメルーンだった。
そして、この試合、日本は、本田圭佑の活躍で1対0でカメルーンに勝っている。
日韓開催を除いて、海外のワールドカップで勝利をした初めての試合だった。
日本中がこの試合を見ていた(と思う)。

で、その翌日のスポーツ各紙の見出しがこれ。

スポーツ報知  :日本勝った! 本田決めた!
東京中日スポーツ:歴史的海外W杯初勝利 本田V弾!
サンケイスポーツ:勝った!しびれた!本田V弾!
スポーツニッポン:やったぞ日本! 本田1勝弾!
ニッカンスポーツ:日本勝った! 本田弾!
デイリースポーツ:下柳 結婚!

デイリースポーツだけは、下柳の結婚が一面の見出しだった。
さすがは、阪神タイガースを応援するスポーツ紙だけのことはある。
デイリースポーツのキャッチコピーは「ブレないスポーツ紙」らしいけど、全くぶブレてない。

ついでに書くと、サンテレビも全くブレていない。
阪神タイガースの野球中継は、必ず、最後まで放送する。
また、プロ野球がオフシーズンは、熱血タイガース党という阪神を応援する番組を放送している。

話を戻して、デイリースポーツだけど、たまに阪神への応援が辛口になることがあるらしい。
例えば、次のような感じ。

●阪神、破竹の二連勝
 ⇒最高に素晴らしい表現
●打てなきゃ、即メンチ切る
 ⇒助っ人外国人として来日したメンチが全く活躍しなかったときの見出し
●メンチ、ミンチにしたろか
 ⇒助っ人外国人として来日したメンチが全く活躍しなかったときの殺気だった見出し
●打ってクレイグ、たのんマース!
 ⇒助っ人外国人として来日したクレイグとマースを二人一気にネタにした見出し
●阪神一位
⇒この後、小さい字で、評論家の最下位予想がと書かれてあった。(これは、東スポの記事らしい。)
●欲しがりません、カツノリは。
 ⇒野村監督が阪神監督に就任した際の見出し。結局、カツノリも阪神に来たんだけど。。。
  ちなみに、元ネタは、「欲しがりません、勝つまでは」
●まさかの展開 ヘイグ SMAP問題
 ⇒助っ人外国人として来日したヘイグが起こした問題だけど、当然、SMAPは関係ない。
  S・・・三塁の
  M・・・守り
  A・・・あまり
  P・・・パッとしない

ちなみにだけど、阪神タイガースが60周年を迎えた時に、サンテレビが「阪神が60勝する日を予想してください」という企画を立てたけど、その年、阪神は46勝しかできずにダントツの最下位に沈んでいる。
サンテレビも罪作りな企画を立てたなーって思うけど。。。

で、最後に、完全やっつけ仕事風に、スポーツ新聞の面白いと思う見出しを紹介して終わります。

●麻原 寝やがった!
●将軍宅に空き巣乱入 松平健 暴れずノーコメント
●○○のちょっとした過去「円周率を割り切ったことがある」
●中日今中中三日
●国難なのに優雅なツイート 安倍は貴族か!!
●メッセやりまっせ
●上げ潮 大和波動砲
⇒阪神にいた頃の大和が、サヨナラ安打を放って勝った翌日の新聞の見出し
●コイ焦がれ、つかんだ復帰
 ⇒黒田がアメリカから広島カープに復帰した時の見出し。広島カープネタは「コイ」がよく出てくるね。

今回はこの辺で。

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