方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―

アルバイトと法律~社会保険関連


今回は、アルバイトでも社会保険に加入することができるかについて。

結論から言うと、適用除外にならない限りは、社会保険に加入することになる。
一応書くと、ここで言う社会保険は、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険のこと。
そもそも、社会保険は強制保険。
だから、要件を満たすのであれば、本人の意思に関係なく強制加入となる。

それで、最近だと、社会保険の存在意義が揺らいできているせいか、社会保険に加入したら損だと思っている人もいる。
特に年金なんかは、払うだけ損という人もいるけど、個人的には、そう思ってはいない。
この先、得する額が下がることはあると思うけど、それでも損はしないと思っている。

●労災保険
アルバイトが労災保険に加入できるかどうか。
当然、加入できる。
しかも、アルバイトの場合、ド短期だと1日だけのやつもある。
これでも、当然、労災保険に加入することはできる。

例えば、1日だけのアルバイトで、翌日に腰痛を発症した場合。
この場合でも、労災保険を申請することはできる。
こういう書き方をすると、「えっ、まじ!」となるかもしれないけど、労災保険の要件を満たせば、当然に労災保険扱いとなる。
但し、今書いた通りだけど、要件を満たす必要はあるし、それなりに審査もあるので。

ちなみに、労災保険の保険料は、全額が会社負担となる。
労働者が支払う必要は全くない。

●雇用保険
アルバイトが雇用保険に加入できるかどうか。
これも、当然、加入できる。
但し、労災保険と違って、ちょっと注意が必要となる。
まず、雇用保険に加入できるかどうかは、次の要件をいずれも満たさないといけない。

・31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

また、適用除外についても、ちょっと注意が必要か。
適用除外にもいくつかあるんだけど、ここで押さえておいて欲しいのは学生の場合。
いわゆる昼間学生。
昼間学生の場合は、上記の要件を満たしたとしても、雇用保険の適用除外となって、雇用保険に加入することはない。

但し、ここからが、ちょっとややこしくなる。
昼間学生でも・・・

・休学中の学生
・卒業見込み証明書を有する者で、卒業前から就職し卒業後も同じ会社に勤務予定の学生
・会社の命令や承認によって大学院等に在学する学生
・一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者で、会社で他の従業員と同様に勤務することができると認められる学生

といった場合は、雇用保険は適用される。
あと、夜間学生や定時制学生の場合も、加入要件を満たせば、雇用保険に加入することになる。
つまり、たとえ学生だとしても、労働者性が強い場合は、雇用保険の適用がされることになる。
うーん、話が細かくてあれだけど。。。

●社会保険
アルバイトが社会保険に加入できるかどうか。
これも、問題なく加入できる。
一応書くけど、ここでいう社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のこと。

この社会保険に加入できるかどうかは、細かい要件がある。
実は、この辺のくだりも、今までに何回か書いてきたけど、何回も訂正をしている。
というのも、アルバイトの社会保険は、加入要件が目まぐるしく変更しているのね。
だから、いまこうやって書いても、多分、来年には変わっているかもしれない。。。

で、話を戻して、現在の社会保険の加入要件は、次のようになっている。
これらの全ての要件を満たすことが必要となるので。

①1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること。
 決まった労働時間というのは、あらかじめ定められた所定労働時間のこと。
 この労働時間に残業時間は含めない。

②1か月あたりの決まった賃金が88,000円以上であること。
 いわゆる基本給的な部分の賃金のことで、賞与、残業代、通勤手当などは含まない。
 不明な場合は、例えば、「時間給*週の所定労働時間*52週*12か月」で計算をする。

③雇用期間の見込みが1年以上であること。
 1年未満であっても、労働契約の更新があると明示されている場合を含む。

④学生でないこと
 但し、夜間、通信、定時制の学生を除く。

⑤以下のいずれかに該当すること。
 ・従業員数が501人以上の会社で働いている。
 ・従業員数が500人以下の会社で働いていて、社会保険に加入することについて労使間で合意がある。

こういう感じになっている。

それで、僕なんかは、社会保険は入れるなら入っておいた方がいいというタイプなのね。
ただ、いくつか押さえておいた方が良い点がある。

例えば、夫が会社員で、妻が主婦をしていて、この妻がアルバイトやパートを始める場合だけど・・・

「すでに、この妻は、社会保険に加入している」ということ。

だとすると、上で社会保険に加入しないといけないとあったけど、あれはどういうことってなる。
すでに社会保険に加入しているのに、さらに加入するのかとなる。
これ、要は、社会保険料を負担するかどうかということ。

会社員の妻は、健康保険には被扶養者として加入している。
そして、健康保険料の負担義務はない。
会社員の妻は、厚生年金には加入していない。
しかし、国民年金には加入している。
そして、会社員の妻の場合、国民年金の保険料の負担義務はない。

つまり、どういうことかというと、夫が会社員で、妻が主婦をしている場合、この妻は保険料の負担がゼロで、健康保険にも年金(国民年金だけど)に加入しているのね。
だから、病院代も安くてすむし、老後だって国民年金のみだけど年金をもらうことができる。
大事なことなので、はっきり書くと、

「専業主婦は、社会保険に関しては、まるもうけ」なわけ。

ところが、もし、主婦が社会保険に加入するような働き方をしてしまうと、保険料の分だけ手取り額は少なくなる。
例えば、1か月のアルバイト代を88,000円だとする。
この場合、社会保険料がどれぐらい取られるかをざっくり計算すると、次のようになる。

健康保険料・・・・・4,330円
厚生年金保険料・・・8,052円

しかも、これら以外にも取られるお金がある。
介護保険料(40歳以上の場合)、雇用保険料、所得税などがそう。
これらも含めると、仮に、アルバイト代が88,000円だとしても、手取り額は78,000円程度になってしまうのね。

また、夫が妻の分の家族手当をもらっていた場合、会社の支給要件によっては、家族手当がもらえなくなる場合がある。
つまり、妻の収入が増えることで妻自身の手取り額、さらには、世帯全体の手取り額が減少することがあるのね。
(妻の老後の年金が増えるというメリットはあるけど。。。)
一般的には「収入の壁」とか言ったりするけど。

主婦がアルバイトをする場合は、この収入の壁をどうするかを考える必要がある。
まー、一番無難というか失敗がないのは、103万円以内で働くことだろうか。。。
適当に書いて申し訳ないけど。。。

今回はこの辺で。

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