方丈記に、似た運命

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信長と信玄~強いのはどっちか?

今回のテーマは、信長と信玄。

昔から、信長と信玄が直接対決をした場合、どっちが勝つのかというのは、歴史マニアからすると永遠のテーマ。
で、今回は、僕の独断と偏見で、どっちが勝つかを見てみようと思います。
一応書くと、寿命は関係なしということで。

で、いきなりだけど、先に結論を書くと・・・

「多分、信長が勝つ」

と思う。

7割、8割ぐらいで。
逆に言うと、2割から3割ぐらいは、信玄が勝つ可能性もあると思う。
ちなみに、どっちが好きかと言うと信玄の方かな。
まー、信長も嫌いじゃないけど。
この辺は、武田信玄(大河ドラマ)の印象が強いんだろうね。

で、まずは、信玄から見ていくと・・・

武田家の最大のメリットは、戦に強いこと。
とにかく武田家って、戦って負けることがなかった。
もちろん、何度か、敗れたことはある。
城攻めでは、落とすことができずに、そのまま退却したこともある。
しかし、基本的に、武田軍の強さは、群を抜いていたと思う。
まー、そのへんは、上杉も同じか。

また、家臣団にしても、優秀な人材がそろっていたと思う。
四宿老を筆頭に、武田二十四将と呼ばれた武将たち、こういった武将たちのそのまた家臣たち。
このあたり、挙げるとキリがないから、いちいち書かないけど。
とにかく、人材も悪くなかったと思う。

あとは、同盟国の存在、これもメリットだと思う。
例えば、上杉家と戦うために、今川家、北条家と三国同盟を結んでいる。
また、後年、織田家と戦うために、いわゆる信長包囲網にも参加している。
同盟国と連携することで、敵の兵力を分散したり、敵の背後を突いてもらうなど、自分の戦いを有利な展開にするために同盟国の存在は大きかったと思う。

ただ、惜しむらくは、武田家は、三国同盟とか信長包囲網とか、後世に残るような同盟に参加している。
にもかかわらず、宿敵だった上杉謙信、織田信長を倒すことはできなかった。
このあたりは、敵が強過ぎたのか、それとも、武田家のスペック的にこれが限界だったのか。

最後に、武田家のメリットを上げるならば、金山を持っていたことだろうか。
もともと、武田家の領土は、甲斐国(今の山梨県)、信濃国(今の長野県)がメインで、状況に応じて、駿河国(今の静岡県)、上野国(今の群馬県)なども含まれていた時期もある。
面積的には広いんだけど、基本的に、山ばっかりなわけ。
逆に言えば、使える土地(平野、耕作地など)は、少ないのね。
そう考えると、貧しい土地にあって、金山があることは、相当のメリットがあったのではないかと思う。

次に、武田家のデメリット。

これは、もーね、人口と経済力のなさ。
このひと言に尽きるんじゃないの?
多分ね、山国だったせいで、海がないのが原因だろうけど、武田家の領内には、城下町もなければ、商業都市もなかった。

例えば・・・
上杉家は、春日山城の城下町、直江津の港があった。
今川家は、駿府が城下町であり、商業都市でもあった。
北条家は、小田原が城下町であり、商業都市でもあった。
織田家は、岐阜・安土の城下町、堺、京都などの商業都市があった。

武田家って、石高でいうと120万石ほどらしい。
で、だいたい上杉家も石高は同じぐらい。
北条家は、200万石ぐらいか。
織田家は、かるーく400万石超えだとか。

つまり、武田家は国力が低いのね。
正直、どれだけ武田家臣団が優秀でも、この国力の差をひっくり返すのは難しいと思う。
ていうか、ふつーは勝てないか。

言うなれば、武田家って、三国志で言えば、蜀ですよ。
で、織田家が魏。
武田家が織田家を倒すというのは、蜀が魏を倒すようなものですよ。
まー、ほとんど、不可能か。

あと、もう一つ、武田家のデメリットを書くと、信玄の外交下手と後継者育成の失敗。

さっき、武田家には同盟国がいて云々と書いた。
それで、同盟によってメリットもあったけど、信玄って、一方的に同盟を破っているケースがある。
例えば、今川家、北条家の三国同盟。
それから、織田家、徳川家。
信玄って、外交を駆使して勢力を拡大したイメージがあるけど、その一方で、突然、同盟国を攻めるということもしていたりする。

後継者育成については、少なくとも、信玄が勝頼を後継者として育成したという話を聞いたことがない。
いや、僕が知らないだけで、実際は、後継者育成をしていたかもしれないけど。
ただ、当時、北条氏康にしても織田信長にしても、家督を譲って後見役になっている。
しかし、信玄の場合は、家督を譲ったということも聞いたことがない。

で、ここからは、織田信長について。
まずは、メリットを書くと、やはり国力。
戦国時代の末期は、織田家の国力は群を抜いていた。
正直、武田家、上杉家、毛利家、本願寺などが、束になっても勝てないほどの国力。

例えば、石高。
最盛期には最低で400万石、最大で800万石ほどあったとか。
はっきし言って、これだけでもう完全に無敵状態。

例えば、経済。
京都、大阪、堺を支配することで、完全に経済を握ることができた。
しかも、この三都以外にも、岐阜、安土など、人口の多い都市を支配している。
ということは、人が多い分だけ、より一層、経済を動かすことができる。

それから、家臣団も優秀な者ばかり。
武田家の家臣団も優秀だと書いたけど、織田家の家臣団も負けてはいない。
柴田勝家、丹羽長秀、明智光秀、滝川一益、羽柴秀吉など、もう大名級の者ばかり。
しかも、この下に、前田利家、佐々成政、蒲生氏郷、細川藤孝、さらに従属大名として徳川家康がいるんだから、もうどれぐらい無敵かが分かる。

あと、織田家って兵農分離とか、鉄砲をたくさん所有していたことで、戦を有利に展開できたという話もある。
ただ、僕は、そこまでの効果はなかったように思う。
分からないけど、どこの大名も似たようなものだと思うのね。
たまたま、信長の場合は、宣伝効果があったり、織田軍が強かった理由をそこに求めているだけではないかと思う。

最後に、織田家のデメリット。
うーん、なんだろう。。。
思い付かない。
ただ、金ヶ崎の退き口とか本能寺の変とか、大事なところで信頼していた者に裏切られるというのは、危機管理能力の欠如とか、分からないけど、信長に何かあるのかもしれませんね。

で、最後、まとめると、信玄と信長、国力でみれば、信長の勝ち。
もし、決戦をして、信玄が信長に勝てば、信玄の勝ちでしょうか。
しかし、ここで信玄が信長を討ち漏らすと、信長の勝ちでしょうか。
長篠の戦いで、信玄の跡を継いだ勝頼が、長篠の戦いで信長に決戦を挑んだのも、やみくもに突っ走ったのではなく、ここで信長を討たないと武田家に勝ち目はないという思いもあったんじゃないでしょうかね。

今回はこの辺で。

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