方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


会社を辞める時の一連の流れ②

僕は、上司に、会社を辞めたいという話をした。
その続きから。

それで、最終的に、上司から何と言われたかというと、

「一週間時間をやるから、考え直してこい」

だった。
で、一週間後、再び、僕は、上司と話し合いをする。

「もうちょっとがんばってみんか?」
「もう十分頑張りました。」
「休職ではだめなんか?」
「それも考えましたが、今はゆっくり休みたい気分なので。」

そして、僕は、この時に、準備しておいた退職届を上司に提出した。
僕としても、上司が、退職を思いとどまるように言ってくるのは、想定していた。
でも、僕は、辞める覚悟ができていた。
後には引けなかった。

僕は、上司に退職の意思を伝えるのが、第一の関門だと思っていた。
そして、次の関門は、退職届を提出することだった。
だから、退職届を提出すると、気分的に楽になったことを思い出す。

で、その日も、結局、小一時間ぐらい話しただろうか。

翌日の昼過ぎ、上司が僕のところに来た。
「今から、管理課に出しに行くけど、いいな?」と聞いてくる。
僕は、てっきり、昨日、退職届は出されていたと思っていた。
ところが、まだ、温めていたらしい。
で、僕は、「お願いします」と返事をした。

③人事部と面談する。
上司に退職の意思を伝え、退職届を提出すると、その退職届は管理課に届けられる。
すると、数日後に管理課の担当からメールが来る。
そして、退職する際の流れや注意事項の説明を受けることになる。
僕の場合だと、次のような感じ。

・失業保険のもらい方の説明
・退職金の額
・業務の引継ぎに関する事項
・会社に返却するものの確認(例えば・・・社員証、名刺、印鑑、健康保険証、実験ノート、その他会社の備品など)
・会社からもらうものの確認(例えば・・・離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票など)
・その他(秘密保持に関する事項、自社株に関する事項、退職後の社会保険とか、離職票の確認とか。。。)

それで、このあたりは、どの会社でも似たようなもんだと思う。
ただ、一点、会社に返却するものについては、注意が必要だと思った。
例えば、社員証とか日誌などは、会社に提出しないといけないって何となく分かる。
ところが、この会社、ふつーだったら捨てるようなものまで返却するようにと言ってきた。
で、慌てて探して、あったから良かったけど、なかったらどうなるんだろう。。。

あとね、これは、僕だけかもしれないけど、

「管理課の担当の子の説明が少しキャピキャピ」

なのが気になった。
いや、向こうはそんなつもりはないかもしれない。
僕が、そう感じただけだから。
ただ、こっちは、静かにね、「あー、これでまた退職に近づくのか」といった具合で説明を聞いているのね。
ところが、その担当の子は、しゃべり方がどういうの、もう少し落ち着いた方が良いというかさー。
僕も、別に、気の合う仲間と楽しい会話をしにきたんじゃないんだから。

まー、本当にどうでもいい話なんだけど。

④業務の引継ぎをする。
担当していた全ての業務について引継ぎを行う。
それで、まず、業務の引継ぎの計画書を作成する。
誰に、どの仕事を、どのくらいの期間で、などが分かって、進捗状況も分かるように作成する。
僕の場合だと、2か月ぐらいかかった。
担当業務が少なければ、もっと短縮できるはず。
まー、ぶっちゃけ、ちゃんと引継ぎできていなくても、あとは残った者が何とかしてくれる。
僕も、今まで残る立場だったけど、「こんなの聞いてないよー」ということがあっても、最終的には、何とかしている。

それで、この時、業務の断捨離が行われたりする。
つまり、今まで、僕がしてきた業務について、「これいる?」とか「これはいいんじゃない?」とかなるのね。
そしたらさ、僕の仕事、3割ぐらいがムダと判断されて、それらの仕事については、引継がなくてもよくなった。
「いやいや、それなら、最初からこの仕事させんなよ」って思ったけど。
そもそも、仕事の半分は、何となくやっているだけで、しなくても問題ないから。
だいたい、会社って、仕事は増やすくせに、減らすことはしようとしない。

あと、どこかのタイミングで、あいさつ回りもすることになる。
一応だけど、僕は、今までお世話になった方の8割方には、あいさつをしたと思う。
残り2割は、そこまでの間柄ではないか、嫌いという理由でしていない。

ここで、本部長に挨拶をした時のお話を少し。
僕がいた会社で本部長なんて言うと、役員を除けば最高のポジション。
当然、部長職の中でもナンバーワンのポジション。
もちろん、その椅子も限られていて、おそらくなれるのは10人ぐらいか。

で、本部長の下には、それこそ何百人単位の部下がいる。
で、僕も、その中の一人。
それで、まず、僕みたいなペーペーの社員が、本部長と話すことはまずない。
例えば、すれ違ったりする時に会釈をすることはあっても、話をすることはまずない。
ていうか、基本的に、課長職以上は、席にいることが少ない。
まして、本部長になると、夕方にならないと戻ってこない。

で、僕は、タイミングを見計らって本部長に挨拶に行く。
僕は、本部長を知っているけど、本部長が、僕を知っているかは分からない。
ていうか、本部長への挨拶は、上司から挨拶しておきなさいと言われたのでしただけ、実は。。。

ただ、意外なことに、本部長は、僕のことを知っていた。
まー、僕の上司から、話を聞いていたんだろう。
で、本部長からは、大変な労いの言葉をもらった。

「今まで大変よく頑張ってくれましたね。ありがとう」
「品管という仕事上、不本意なこともあったかと思うけど、君のおかげで部署も会社も回ることができた」

しかも、本部長は、僕の担当業務を一つ一つあげると、どれも大事な仕事だったと言ってくれた。

確か、そんなことを言ってくれたと思う。
多分ね。
あー、本部長、見ていてくれたんですね。。。
ありがとうございます。
その言葉だけで報われました。

⑤退職する。
以上のことが全て完了すれば、あとは無事に退職日を迎えるだけとなる。
僕の場合、午前中は、仲の良かった一部の同僚から、餞別の品をもらった。
で、夕方は、今の部署の人たちから、餞別の品をもらった。
で、僕は、心からのお礼と、別れの挨拶をした。
上司からは、「また落ち着いたら飲みでにでも行こう」って言われて、「はい、ぜひ。」なんて返したけど、いまだに飲みに行けていなかったりするけど。。。

そして、一番最後に、管理課に行って担当の子と確認しながら、社員証やら会社の備品を返却した。
そしたら、担当の子が、「おつかれさまでしたー」って、なんかまた軽い感じで言うのね。
あー、もう、うまく説明できないけど。
あのね、だから、気の合う仲間と楽しい会話をしにきたんじゃないんだから。

今回はこの辺で。

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