方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


ドア・イン・ザ・フェイス効果/フット・イン・ザ・ドア効果

今回は、ドア・イン・ザ・フェイス効果とフット・イン・ザ・ドア効果について。

こういう風に、カタカナというか英語で○○効果なんて言うと、「なんかすごい効果か?」なんて思いがち。
でも、実際、大したことはない。
むしろ、「あのやり方に、名前があったのか」と、むしろ驚くぐらいね。
僕たちも、ふだんね、「ドア・イン・ザ・フェイス効果」と「フット・イン・ザ・ドア効果」、使っているから。

で、まずは、何かをお願いする場面をイメージしてみる。
何かお願い事をする時って、いくつかパターンがある。
ここで言うパターンとは、次の3つ。

●真の要求をそのまま要求する。
●レベルの高い要求から真の要求へ近づける方法(落とす方法)
●レベルの低い要求から真の要求へ近付ける方法(上げる方法)

それで、
レベルの高い要求から真の要求へ近づける方法(落とす方法)⇒ ドア・イン・ザ・フェイス効果
レベルの低い要求から真の要求へ近付ける方法(上げる方法)⇒ フット・イン・ザ・ドア効果

となるんだけど、これだけではよく分からない。
で、まずは、ドア・イン・ザ・フェイス効果から説明をしてみる。

ドア・イン・ザ・フェイス。
英語で書くと、door in the face となる。
訳すと、顔の中のドア。
で、なんじゃこりゃってなる。

これ、もともとは、「slam the door in the face of 人」が語源なんだとか。
いくつか説はあるみたいだけど。
で、「slam the door」の部分と、「in the face of 人」に分かれる。
つまり、ドアを閉めると、人の顔の前で、の2つからできている。
で、合わせると、人の顔の前でドアを閉める、となる。

これ、セールスマンに門前払いを食らわせるってことらしい。
ただ、ここで言う「door in the face」は、「セールスマンに門前払いを食らわせる」ということではなくて、セールスマンのやり方を指している。

セールスマンが飛び込み訪問をする。
で、玄関のドアを開ける。
すると、開いた瞬間に、ドアの隙間から大胆にニョキって顔を出す。
あのイメージ。

ところで、いきなりセールスマンがきても、恐いですよね。
しかも、何の遠慮もなく「○○新聞ですけど、うちの新聞取ってくれませんか?」って言われても、「くんな、ボケッ!」ですよ。
まー、そうは思いながらも、「間に合ってるわ、ごめんねー」って、優しく追い返しますけど。。。

ところが、ドア・イン・ザ・フェイス効果は、ここからが本領発揮となる。

断られたら、即座に、別の要求に切り替えるのね。
「せめて3カ月だけでもどうですか?今なら、○○をサービスでお付けできますが・・・」と。
まー、相手が、比較的受け入れ可能な要求をするわけ。

すると、人間の心理としては、一度断っているので、二度目の要求は断りづらいんだとか。
しかも、二度目の要求は、一度目の要求と比べて、受入れやすいわけ。
すると、「まー、それぐらいなら・・・」となるわけ。
その結果、二度目の要求は、受け入れられる確率が上がるそうです。

で、これを、ドア・イン・ザ・フェイス効果と言うらしい。

例えば、子どもがいる家庭なら、こんな経験ないですか?
スーパーとかで買い物をしていたら、突然、子どもがあれ買って、これ買ってって言うことないですか?
買って買って病。

例えば、子どもが食べるお菓子だって、駄菓子ならまー安いですよ。
でも、景品付きだとまーまーの値段をするわけですよ。
当然、買うわけにはいかない。
で、「そんなに高いものは買えない」と言うんですね。

すると、子どもは、一旦はあきらめる。

ところが、ちょっとしたら、他のお菓子を持ってくるんですよ。
で、「これ買ってー」なんて言うわけ。
で、チラッと値段を確認したら、微妙に高いけど、そこまで高くもなかったりする。
で、「まー、これならいいか」と、ついつい買ってしまう。

これなんかも、ドア・イン・ザ・フェイス効果の一例じゃないかな。
ていうか、うちの子も、何気に「ドア・イン・ザ・フェイス効果」を使っていたとは。。。
うーん、恐ろしい5歳児だなー。

あと、僕は経験ないけど、お金を借りる人もそうみたいです。
お金を借りる人って、はじめは「10万貸してくれ」って、高額を要求してくるんだとか。
で、当然、相手はそれに応じることはできない。
すると、すぐに「せめて1万円だけでも」と言う。
で、そうなると相手は「じゃー、1万円だけなら」とお金を貸してしまう。

これもドア・イン・ザ・フェイス効果の例らしい。
ちょっとたとえが悪いかもだけど。
しかも、この場合、お金が帰ってくることは、ほとんどないんだとか。
だろうね。。。

次に、フット・イン・ザ・ドア効果について。

フット・イン・ザ・ドア。
英語で書くと、foot in the doorとなる。
訳すと、ドアの中の足となる。

これは、セールスマンが飛び込み訪問をした際に、少し開いた玄関のドアに足をねじ込むことを指しているんだとか。
そして、少しずつ体を入れて、ドアをこじ開けていく、このことに由来しているそう。
まー、イメージなんだけど、実際、そんなセールスマンいるのかね。。。
ドラマでは見たことあるけど。

で、これは、ドア・イン・ザ・フェイス効果とは逆で、はじめは簡単な要求からスタートする。
そして、少しずつ要求のレベルを上げていき、最終的にとんでもない要求をするというやり方。
これは、一度、お願いごとを聞いてしまうと、次のお願いも聞き入れざるを得ない心理を利用したものだそう。

例えば、家庭でこんなことはないですか?

妻:ちょっと今、手が離せないから、沸かしているやかん、切っといてくれる?
夫:いいよ。
妻:台所行ったついでに、そこのタオル洗うから洗濯機のとこ持って行ってくれる?
夫:分かった。
妻:ごめんやけど、トイレのタオルとか、バスタオルとかもお願い!
夫:うん。
妻:そのまま洗濯機に入れて回しといてくれる?
夫:ははーっ

分かりますか。
最初は、大したことない要求でも、次々とエスカレートしていくパターン。
で、気が付くと、体よく利用されている。
すみません。
こんな書き方をしたら、世の奥様方が、お気を悪くしますね。。。

まー、でも、これが、フット・イン・ザ・ドア効果なのね。
たった一つのお願い事を聞いたために、とんでもないお願い事を聞く羽目に陥るパターン。
ちょっと表現がオーバーだけど、嘘やないですよ、多分。
テキトーに書いたけど。。。

というわけで、ドア・イン・ザ・フェイス効果とフット・イン・ザ・ドア効果。
名前は知らないけど、意外と日常生活で使っていることもあるのね。
自分で書いといてあれだけど、勉強になったわ。

今回はこの辺で。

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