方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


カリギュラ効果

今回は、カリギュラ効果。

響きだけだと「カリギュラ」って恐ろしい感じがしない?
なんか、「ドラキュラ」みたいな感じでさ。
いや、僕は、最初これを聞いたとき、「なんか恐いなー」って思った。
完全に、響きだけで判断したけど。

で、このカリギュラ効果。
実は、有名な心理学の効果だった。
当然、みんな知っている。
誰でも、「あー、あのことか」ってなる。

このカリギュラ効果というのは、

「禁止されたら、したくなる」

という心理現象のこと。
これ、あるよね?
するなって言われたら、余計に気になってしてしまうこと。

例えば、女性の方だと、こんなことないですか?
ダイエットをするために、甘いものを禁止にする。
ところが、我慢すればするほど、甘いものが食べたくなる。
で、最終的に、食べてしまう。

男性だと、禁煙とかそうじゃないですか?
「もう、今日からタバコを吸うのをやめよう」と心の中で誓う。
ところが、一本だけなら大丈夫と思って、結局、吸ってしまう。

いや、僕も、昔は、タバコを吸っていたんですね。
で、子どもができたと分かった時点でやめました。
ただ、僕の場合は、そんなに辛くもなかったですが。

このカリギュラ効果、もともとは、カリギュラという映画がもととなっている。
まー、僕は、見たことないけど。
それで、このカリギュラという映画、実は、問題作だったらしい。
というのが、この映画、ローマ皇帝だったカリグラの生涯を描いた超大作だった。

で、このカリグラ、すごい悪人だったとか。
ローマ皇帝でありながらも、独裁者で、浪費家で、残忍な性格の持ち主。
しかも、変な性癖があったとか。
僕も、詳しいことは知らないけど。

で、最終的に、カリグラ、暗殺される。

で、このカリギュラとういう映画、確かに、歴史の超大作だったけど、なんせ主人公は、今書いたような人。
だから、あまりにも刺激の強い映画だった。
しかも、カリグラの性癖に注目したのか、ほとんどポルノ映画だった。

そうなると、いくらアメリカが自由の国だと言っても、公開を禁止するところが出てきた。
また、親からすると、子どもにこんな映画を見せるわけにもいかない。
というわけで、当時は、「この映画を見てはいけない」となっていたそう。

ところが、そう言われると、見たくなるのが人の心。
で、アメリカ以外の国では、刺激的なシーンを編集して公開をしたらしいけど、興行的には大ヒットをしたらしい。
そこから、禁止されると余計にしたくなるということを、カリギュラ効果と呼ぶようになったらしい。

なるほど、カリギュラ効果のことは、良く分かった。
「禁止されたら、したくなる」ということ。

ところで、世の中には、カリギュラ効果と逆のこともよくある。
逆カリギュラ効果。
つまり、「やれと命令されたら、しなくなる」ということ。
特に、子育てがそうなのね。

以前、島田紳助さんがこんな話をしていた。

「子どもは、押し付けたものは、みんな嫌いになる」

いやー、全くその通り。
子どもって、無理に何かをさせようとすると、絶対に反発する。
で、本当かどうかは知らないけど、そのとき、角田信明さんの話をしてくれた。

「角田さん、息子にK-1をして欲しくて、小さい頃からずーっとK-1のビデオ見せてたら、息子さん、ある日、爪にマニキュアを塗ってました」

これ、完全に、逆にいってしまったパターン。
いやー、何でこんなことに。。。

例えば、子どもに、勉強をさせる、片付けをさせる、ちゃんとご飯を食べさせる・・・
こんな場合に、どうしますか?

「ちゃんと勉強せんか」
「お片付けせんか」
「ごはんの時ぐらい、遊ばずにちゃんと食べなさい」

だいたい、こんな感じじゃないですか?
で、勉強なんか「やれっ」って言った分だけ嫌いになりよる。
じゃあ、勉強しない子に、勉強をさせるためには、どうすればいいのか?

これ、難しい。
もちろん、即効性のある解決方法はない。
ていうか、すぐに効果が出る方法は、すぐに効果がなくなるから。

まず、「勉強しなさい」と言わないこと。
これが大事。
で、次は、親が勉強を楽しんでいる姿を見せることだそう。

例えば、子どもに教科書を借りる。
で、楽しそうに「うーん、こんなことを勉強しているのか。面白いなー」みたいな感じで読んでみる。
場合によっては、子どもと一緒に何かを考えたり、宿題をしてみる。
とにかく、勉強を楽しんでいるところを、行動で伝える。

すると、子どもの方から、「僕も、この問題解いてみる」と言ってくる。
こうなると、しめたもの。
で、多分、めんどくさいけど、このやり方が王道なんだろうなーって思う。

で、最後に、カリギュラ効果を使ったお話について。
実は、日本では、昔からカリギュラ効果が使われている。
まー、カリギュラ効果を調べれば、いくらでも出てくる鉄板ネタだけど。。。

・浦島太郎
 「開けてはいけない」と言われた玉手箱を開けてしまう。

・つるの恩返し
 「部屋の中を見ないでください」と言われたのに、部屋の中をのぞいてしまう。

・出雲神話の黄泉平坂の場面
 「決して中を見ないでください」と言われたのに、中をのぞいてしまう。

あと、最後に、カリギュラ効果を利用したスーパーお笑いトリオがいる。
「押すなよ、押すなよ、絶対押すなよ」で有名なダチョウ倶楽部。
これは、

押すなよ   ⇒ 準備中
絶対押すなよ ⇒ 押してくれ

となる。

つまり、ダチョウ倶楽部は、たくみに心理学を操るインテリ芸人の集団だったのね。

今回はこの辺で。

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