方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


心理学系の本には派手なタイトルが多い

これ、別に、心理学系の本に限ったことじゃないけど、最近、派手なタイトルが多い。
いわゆる「盛る」というやつ。
まー、僕が、こうして書いているのも、タイトルだけ派手で中身がないのが多いけどね。

タイトルが、「心理学系の本には派手なタイトルが多い」ってなっているけど、僕も理由は知らない。
別に知りたいと思わないし。
正直、今回は、最初っからどうでもいい話。

それで、心理学系とかビジネス系の本って、タイトルがうまい。
別に、僕も買うまではしないけど。
でも、ちょっと立ち読みはしてしまう。

少し例を挙げると・・・

・悪用禁止
・相手を意のままに操る
・これで大丈夫
・明日から使える
・どうしても○○できない人へ
・魔法の○○

ざっとこんなところか。
そして、実際に読んでみる。
別に、言うほど面白いとも思えない。
むしろ、タイトル負けしている感じ。

で、ちょっと思い出したことがあった。

昔、世界の中心で愛を叫ぶ、というのがあった。
いわゆるセカチュー。
テレビにもなったし、映画にもなった。
僕は、テレビは見なかったけど、映画は見た。
とても良い映画だと思った。
で、気になって、今度は小説を買って(古本だけど)、読んでみた。

セカチューの作者は、出身県が僕と同じだった。
そして、この作品の時代設定は、僕が十代の頃。
映画では、僕の地元でも撮影が行われていたらしい。

と、まー、そういうバックグラウンドもあって、現実では絶対にありえないけど、この映画いいなーって思っていた。
多分、今、改めて見ても、そう思うと思う。

で、極めつけは、小説の帯に書かれていたセリフ。
主人公役の女性の、

「泣きながら一気に読みました」

というセリフ。
映画でもあれだけ感動したんだから、小説もきっと感動するはず。
ということで、勢い込んで読んでみた。

「面白くない」

正直、そう思った。
「これのどこに泣く要素がある?」って思った。
別に、僕は、作者に文句を言いたいわけではない。

むしろ、僕は、セカチューの作者には一方的に親近感を抱いている。
出身が同じだし、国立理系の大学院に進んでいることも同じ。
但し、大学のレベルは全く違うけどね。
しかも、セカチューの作者も、売れない時期は主夫をしている。
そう、セカチューの作者は、僕にとって希望の星なのだ。

そもそも、あの小説、もともとは「恋するソクラテス」だった。
それを、出版社がタイトルを変えて、派手な帯もつけて売り出している。
セカチューが大ヒットした裏には、こういう努力があったらしい。
ただ、僕の記憶では、作者自身は、あそこまで爆発的にヒットしたことに戸惑いを感じた、とどこかで書いていたように思う。
僕も、これが、正直な感想だと思う。

逆にというか、別に逆でもないんだけど、スコット・フィッツジェラルドの短編小説「バビロン再訪」。
フィッツジェラルドの作品の中では、最高の作品の一つ。
で、この作品も後に映画化されて、その時のタイトルが、

「雨の朝、パリに死す」

いや、もーね、タイトルだけで見たくなるような、百点満点をつけたくなるような映画。
インパクトは十分。
しかも、このタイトル、小説を読めば分かるけど、全然、小説の内容と違和感がない。
むしろ、バビロン再訪よりもピッタリなぐらい。

まー、この辺ぐらいは問題ないと思うけど、最近は、派手なタイトルが本当に多い。
ふつーに書けよって思うけど。
特に、自己啓発の本なんかは、この傾向が強いと思う。
最近だと、

「嫌われる勇気」

決して、嫌われる勇気は、悪い本じゃないと思う。
むしろ、読んでおいて損はないと思う。
ただ、タイトルが、誤解を与えやすい。
人の迷惑を省みず、「嫌われたっていいんだ」となると困る。
その辺は、しっかり本を読まないといけない。

ただ、この本、もう一つ注意点を上げると、逆転の発想と話の進め方。
ごめん、二つ書いたけど。

この本、けっこう目からうろこ的なことを書いてある。
逆転の発想で、ものの見方を180度反対から見るように書いてある。
で、一見、正しいように思う。
「そうか、こうだったのか!」ってなる。

しかも、その後、それを説明するために、ソクラテス方式で自分の正しさを主張する展開を取っている。
で、その話が、とてもうまいのね。
別に、巧妙に仕組んで、相手をだますとか、そんなんではない。
相手の話の不備を突いて、「ほら、僕の話の方が理解しやすいでしょ」っていう展開に持ち込むというやり方。

で、僕なんかも、初めて読んだ時は、これは面白いって思った。
ふつーに良いこと書いているなーって思ったから。
でもね、だいたい、最初に「すごい」って思った時って、そのインパクトが強いのね。
で、その中で読んでいるから、きちんと読めていなかったりする。
地に足が着いた状態で読めていないのね。

で、何回か読んでみる。
すると、最初の時の印象が消えて、「これは難しいなー」ってなる。
本の中でも書いてあったけど、アドラー心理学は実践することが難しい心理学なんだそう。
つまり、心理学的に、哲学的には正しくても、それが実践できるかどうか。
正直、これを実行するのは難しいと思う。

繰り返すけど、決して悪い本ではないから。
あるいは、この本を入口に、アドラー心理学について深く勉強するというのは良いと思う。

というわけで、色々とどうでも良いことを書いてきた。
で、最近は、タイトルだけ目立つものが多い。
特に、ネット記事なんかは、ひどいものが多い。
で、そのひどい記事に対するコメントが、またひどかったりする。

まー、このブログも、ひどいかもしれないけど。
ごめんなさいね。

今回はこの辺で。

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