方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


卵巣嚢腫と傷病手当金②

前回からの続き。

実は、前回、大事なことを書けていなかった。
卵巣嚢腫だけじゃないけど、病気のために長い期間、会社をお休みする場合、次のようになる。

休んだ日を有給休暇とした場合・・・その日の分の給料は満額もらえる。
休んだ日を欠勤日とした場合・・・・その日の分の給料の3分の2がもらえる。

つまり、休むなら、有給休暇を取った方が、給料の面では有利となる。
あと、ボーナスの面でも、有給休暇を取った方が有利となる。
多分だけど、ほとんどの会社は、欠勤日があると、ボーナスの査定にマイナスとなると思うから。
だから、結局、有給休暇があるなら、まずは有給休暇を取得する。
そして、有給休暇がなくなったら、欠勤日として処理して、その欠勤日について傷病手当金をもらうという流れになると思う。

つまり、最初っから傷病手当金狙いで欠勤日扱いとすると、給料、ボーナスの両方でマイナスになるわけ。
そして、欠勤日がある場合は、傷病手当金の申請を忘れないようにってことで。

すみません。
前回、このあたりの説明がヘタクソだったように思うので、補足です。

それで、ここからは、傷病手当金の額について書きます。

傷病手当金、どれぐらいもらえると思いますか?
まー、ケースバイケースではあるけど、正直、期待する額ではない。
ほとんどの場合、「これだけですか・・・」ってなる。

ネットなんかを見るとだいたい給料の6割とか、3分の2ぐらいと書いてあるのが多い。
で、実際、計算式はそうなっている。
ただ、僕の中では、給料の半分と言ったところか。
少なくとも、給料の半分と思っておいた方が、ガッカリ感が少なくてすむ。

例えば、出産手当金をもらった人なら、思い出してみて欲しい。
思ったよりも少ないと思いませんでしたか?
まー、これと同じ。

それで、ここからは、傷病手当金の額の計算方法について。
ズバリ、傷病手当金の額は、次の式で計算される。

傷病手当金1日当たりの額=【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】/30*(2/3)

この式を見ると分かるけど、30と2/3は定数なので問題ない。
だから【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】さえ分かれば、傷病手当金の額は計算できる。
ただ、【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】っていうのは、よく分からない。
サンドイッチマンなら、「ちょっと何言っているのか分からない」と突っ込むところ。

一応書くと、標準報酬月額というのは、健康保険、厚生年金保険で用いられる考え方。
平たく言うと給料。
但し、「給料≒標準報酬月額」であって、「給料=標準報酬月額」ではない。

それで、標準報酬月額の調べ方だけど、誰かに全頼りするなら、次で調べられる。
健康保険料、厚生年金保険料が分かるなら、そんなに難しくないと思うので。

①会社の人事部に聞く。
②年金定期便、協会けんぽのホームページで調べる。
③ネットの簡易ソフトで調べる。

それで、ここからは、事例紹介を一つ。
次の場合、傷病手当金がいくらになるかを計算してみます。

・標準報酬月額は24万円
・入院期間6日間+自宅療養期間4日間
・最初の4日間は有給休暇を取得、残りは全て欠勤扱い

で、これだけだと、ちょっとイメージしづらいので、表にすると次のような感じとなる。
これで、少しは分かりやすくなるかと。

何日目   状態    処理  カウント
—————————————————————
1日目  待期期間  有給休暇   ✕
2日目  待期期間  有給休暇   ✕
3日目  待期期間  有給休暇   ✕
4日目   ―    有給休暇   ✕
5日目   ―     欠勤    〇
6日目   ―     欠勤    〇
7日目   ―     欠勤    〇
8日目   ―     欠勤    〇
9日目   ―     欠勤    〇
10日目  —     欠勤    〇

まず、思い出して欲しいのが待期期間。
長期で休んだ場合、最初の3日間は待期期間となる。
で、この待期期間は、不正受給防止の意味から、傷病手当金は支給されない。
参考までに書くと、出産手当金では待期期間はなくて、休んだ日から(実際は、有給休暇が終わってからが多いと思うけど)もらえるようになっている。
で、今回の場合だと、この3日間の待期期間は、有給休暇を取得しているので、給料はふつーに出る。

次に、4日目について。
傷病手当金は、4日目からはもらうことができる。
しかし、今回の場合だと、4日目は有給休暇を取っている。
ということは、給料が出ているので、4日目も傷病手当金をもらうことはできない。

次に、5日目以降について。
5日目以降は、欠勤扱いとなっている。
ということは、給料は支払われていない。
ということは、今回の場合、5日目からやっと傷病手当金をもらうことができる。

それで、何日分もらえるかというと、5日目から10日目までの6日分となる。

ここで、出てくるのが次の式。

傷病手当金1日当たりの額=【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】/30*(2/3)

標準報酬月額は24万円なので、この式に代入してみる。
本当は【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】を出さないといけないけど、ここではこれを標準報酬月額とみなします。
正直、そこまで差は出ないと思うし。。。

傷病手当金1日当たりの額=240,000/30*(2/3)
            =5,333円

となって、これが、傷病手当金1日当たりの金額となる。
で、6日分もらえるので、合計は、

傷病手当金の総額=5,333*6
        =31,998円

となる。
どうですか?
思ったより少ないと思いませんでしたか?
まーね、もらえないよりはもらえた方がいいんだけど。。。

ちなみに、この6日間について傷病手当金をもらわず、有給休暇を取っていた場合だと、

240,000/30*6=48,000(円)

となって、48,000円もらえる計算になる。
つまり、傷病手当金をもらった方が、損得で言うと損をする計算となる。
最初にも書いたけど、傷病手当金は、欠勤があることが大前提なのね。
だから、給料面でもボーナス面でも金額的には下がってしまう。
だから、せめて、欠勤日があるときには傷病手当金をもらって、少しでも生活の足しにしてね、というところか。

今回はこの辺で。

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