方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


ピグマリオン効果/ゴーレム効果

今回は、ピグマリオン効果とゴーレム効果について。

まずは、ピグマリオン効果から。
このピグマリオン効果は、

「期待すれば、期待した分だけの結果が出る」

という効果。
で、これがどういうことかを見ていきます。

1963年、アメリカ。
教育心理学者だったロバート・ローゼンタールが、ネズミを使った実験をしていた。
で、ローゼンタール、まず、学生たちを2つのグループに分けた。

・グループA:「このネズミは訓練された優秀なネズミです」と説明して、学生たちにネズミを渡す。
・グループB:「このネズミは優秀でないネズミです」と説明して、学生たちにネズミを渡す。

で、学生たちに、ネズミの迷路実験をさせる。
これは、ネズミたちを迷路に入れて、どれだけ早くゴールできるかという実験。
まー、至ってシンプルな実験かと。

で、どっちのネズミがゴールするのが早かったか?
答えは、グループAの方のネズミだったそう。
つまり、グループAのネズミの方が、学習能力が高かったことになる。

で、ローゼンタール、さらに考えた。
「なぜ、グループAのねずみは、学習能力が高かったのか?」と。
そして、学生たちに話を聞いた。

すると、グループAの学生たちは、自分たちは優秀なネズミを扱っているということで、期待や愛情をもってネズミに接していた」と回答をしたそう。
一方のグループBの学生たち。
こちらは、特に、期待や愛情をかけることなく、ふつーにネズミを扱ったという意見が多かった。

で、ローゼンタールは、一つの仮説を立てた。

グループAの学生たちには、自分たちのネズミが優秀という認識があった。
 ↓
そのため、無意識の内に、ネズミの扱い方が、ストレスをかけないように丁寧な扱いだったり、愛情をかけていた。
 ↓
その無意識が、具体的な言動としてネズミに伝わる。
 ↓
それが、グループAのネズミの方が、ゴールが早いことになった。

と、まー、そういうことを考えたわけですね。
ただ、どれぐらい実験を繰り返したのは、不明ですが。

それで、ローゼンタールは、この実験をさらに進めることにする。
人間の子どもたちで、同じように実験したらどうなるのかと。
で、サンフランシスコのある小学校で、実験をする。

そして、ネズミの実験の時と同じように、2組のクラスを準備する。
・クラスA:成績優秀の生徒たちを集めたクラス
・クラスB:成績不良の生徒たちを集めたクラス

そして、
・クラスAの担任には「あなたのクラスは、成績不良の生徒を集めたクラスです」
・クラスBの担任には「あなたのクラスは、成績優秀の生徒を集めたクラスです」
と、それぞれの担任に事実とは異なる逆の説明をする。

それで、はじめの内は、クラスAの方が成績が良かった。
まー、当然か。
それが、8カ月を過ぎる頃には、クラスBの方が、成績が伸びはじめる。

で、この結果(現象)について、ローゼンタールは次のように考えた。
・担任の教師が、無意識の内に子どもたちに期待をかけて、一生懸命に授業をした。
・さらには、子どもたちも、先生からの期待や愛情を感じ取ったのではないか。

ただ、問題はここから。

本当に、期待をかけると、子どもたちの成績は伸びるのか?
逆に、子どもたちの成績が伸びたのは、期待をかけたせいなのか?
また、その期待を子どもたちが感じ取ったせいのか?

で、色んな人が、このピグマリオン効果を確かめるために、追試をしたんだとか。
で、その結果がどうだったかというと、再現性が低かったらしいのね。
つまり、ピグマリオン効果は、あまり見られなかった。

で、このピグマリオン効果、今でも、賛否両論があるらしい。
正直、僕も、話としては面白いと思うけど、ちょっと疑問視している。
いや、ないことはないと思う。
でも、あるとも言いにくい。
まー、そんなところ。。。

ただ、このピグマリオン効果、色んな場面で有効だという人もいる。
ネットで調べても、上手に使えば、子育て、社員教育とかに有効だって。
そりやーね、上手に使えば、何だって有効になると思うよ。
特に、この心理学の法則って、上手に使えないから困るわけ。
何て言うの、「万人に効果あり」みたいな感じで書いてくるから困る。

例えば、子育て。
今、うちにも、小さい子どもがいる。
で、ピグマリオン効果を意識しているわけじゃないけど、それなりに愛情もかけるし、期待もする。
で、どうだったか?

いやー、うちの子、デキ悪すぎ。
他の子ができることができない。
それでも子育てをしないといけないんだから、もー最悪。
まーね、親のレベルが低いとこんなもんか。

で、ちょっと話題をそらして、ピグマリオン効果。
ピグマリオンってなに?
困った時はネットに全頼りと言うことで、ネットで調べてみた。
すると、ピグマリオンと言うのは、ギリシャ神話のピュグマリオンに由来するんだとか。
ピュグマリオン、ピュグマリオン、ピュグマリオン。。。
言いにくい。。。

このピュグマリオン、キプロスの王様だった。
で、自分が理想とする女性を彫刻で作った。
で、その完成した像に、恋をしてしまい、この女性像が本物の人間にならないかと思う。
で、それを見かねた神様が、その女性像に命を吹き込んで、無事、二人は結婚する。

ん?どういうこと?
なんかよく分かんないけど。。。

で、最後に、少しだけゴーレム効果のお話。

これは、ピグマリオン効果の逆のお話。
つまり、相手に期待をかけなければ、かけなかった分だけ結果も出ない、ということ。
ちなみに、ゴーレムと言うのは、ユダヤ教に出てくる泥人形のことらしい。

で、このゴーレム効果だけど、これは、あるような気がする。
ピグマリオン効果だと、当てはまる場合とそうでない場合が出てくると思うけど。
しかし、ゴーレム効果の場合、会社でも学校でもそうだけど、情熱もなく、愛情もなく、期待もされずだと、部下であれ、子どもであれ、やる気をなくして結果を出せないということが、かなり起きそうな気がする。
ゴーレム効果と因果関係があるかは分からないけど、少なくとも相関関係は大いにあるように思う。

で、最後。
結局、部下だろうが子どもだろうが、相手には愛情をかけて期待をしなさいというか、そうする以外にないっていうお話のような気がした。

今回は、この辺で。

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