方丈記に、似た運命

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神社の階級

今回は、神社の階級について。

鴨長明の父・長継は、下鴨神社の正禰宜惣官だった。
正禰宜惣官。
これ「しょうねぎそうかん」と読む。

「禰宜」だけだと「ねぎ」と読む。
決して「ネギ」ではない。
鴨長明だけに、鴨がネギしょってということでもない。

それで、禰宜もそうだけど、一般人にとって、神職というのはほとんど縁がない。
ほとんどの場合、神職と言っても宮司しか知らない。
実際、僕がそうだった。
それで、そもそも、神職ってなんなんだろうっていう素朴な疑問があった。

神職とは、平たく言うと「神社で働く人」、「神に仕える人」らしい。
もう一つ付け加えると、「参拝者と神様の間を取り持つ人」らしい。
とにかく、神聖な人ってわけね。

で、最近だけど、ある有名人が神職の資格を取ったことで話題となったことがあった。
神職ということは、さっきも書いたけど、神に仕える人。
ということは、知性、教養、品性に優れた人なんだろうと思いたい。
で、その有名人が誰かと言うと・・・

「狩野英孝」

だった。

正直、驚いた。
正直、誰だか分からなかった。
もーね、違和感しかない。

狩野英孝と言えば、ホストの格好をして、

「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」
「A面、B面、僕イケメン」
「赤貝、ミル貝、僕ナイスガイ」
「右見て、左見て、僕を見て」
「いーけないんだ、イケメンだ」

っていうあの方。

実は、狩野英孝、実家は神社なんだとか。
狩野英孝のお父さんは、宮城県にある桜田山神社の宮司なんだそう。
この桜田山神社、正直、規模とか格式とかは大したことない。
ただ、歴史は古く、古墳時代のころに建てられている。
しかも、創健者は、狩野掃部之祐と久我大連の二人。
ということは、狩野というのはこんなに大昔からいたのかって思うと、なんかちょっとびっくり。

さて、気になるのは、狩野英孝の神職としてのランク。
ウィキペディアで調べると、「直階」という階位と書いてあった。
直階。
聞いたことがない。

そもそも、神職ってどうやったらなれるのかも分からない。
ウィキペディアによると、神職になれる方法は、次のとおり。
・神道系の大学を卒業する。
・神職養成講習会(1か月)に参加する。
・神職養成所(2年間)に通う。

ちなみに、狩野英孝は、神職養成講習会(1か月)に参加したんだそう。
で、トレードマークだった長髪を切ったとか。
ただ、たかだか1か月程度の講習で神職になれるっていうのもどうかなーって思うけど。
いや、例えば、お寺だとさ、永平寺で3年ぐらい修行することもあるわけ。
それを思うと、1か月程度の、しかも講習で神職っていうのはねー。。。

まー、とりあえず、神職になる方法は分かった。
それで、再び、神職のランクについて。
狩野英孝は、神職養成講習会(1か月)に参加して、直階という階位になっている。
ただ、一般人からすると、この直階ってどれぐらいすごいのかが分からない。
ただ、神職養成講習会(1か月)に参加してもらえる程度だから、そんなにすごいとも思えない。

で、調べてみたら、この「直階」、そんなに高い階位ではなかった。
むしろ、神職の階位ピラミッドでは一番下。
縁の下の力持ち。

ただ、この神職のランク。
一般人からすると、ちょっと複雑だった。
というのも、神職のランクには、「階位」、「職階」、「身分」と3つあるらしい。
僕からすると、一つにしてくれよーってなるんだけど。
ただ、3つに分かれているのも、それなりに理由があるらしい。

まず、階位から。
この階位というのは、神職に就くための資格なんだとか。
資格ということは条件ということ。
一般企業でも、応募資格に、高卒、大卒、院卒とかあるけど、あれと同じ。
だから、階位が高いとか低いとかは、そんなに重要でもないらしい。
もちろん、高卒よりも大卒、大卒よりも院卒という感じで、階位が高いに越したことはないらしいけど。
それで、階位には、どんなものがあるかというと次のとおり。

①浄階(じょうかい)
階位の最高位で、長年神道の研究に貢献した者に与えられる名誉階位。

②明階(めいかい)
別表神社の宮司及び権宮司になるために必要な階位。
この階位であれば、勅裁を要する伊勢神宮の大宮司以外ならどこの神社の宮司にもなれる。

③正階(せいかい)
別表神社の禰宜及び宮司代務者になるために必要な階位。

④権正階(ごんせいかい)
一般神社の宮司及び宮司代務者、別表神社の権禰宜になるために必要な階位。

⑤直階(ちょっかい)
一般神社の禰宜及び権禰宜になるために必要な階位。

ここで、宮司、権宮司、禰宜、権禰宜と出てきた。
それで、これら4つの地位を職階というらしい。
これは、あくまでも、その神社での階級序列となる。

で、最後に身分について。
身分というのは、全国共通というか、全ての神職に共通の階級序列となる。
じゃあ、どうやって身分が決まるかと言うと、神職としてのこれまでの全ての実績で決まる。
つまり、階位、職階、経験、人格、業績などを総合して決まる。

うーん、人格も含まれるのか。
だとすると、狩野英孝なんて、「人格、大丈夫か?」ってちょっと心配するけど。
まー、余計なおせっかいですが。

あとね、全く関係ないけど、昔、江川卓が沢村賞を取れなかった際に、スポーツ新聞の見出しに

「沢村賞の人格に値せず」

と書かれたらしい。
これ、強烈なひと言じゃない?
意外と人格って重要視されるみたいね。

それで、神職の場合、この身分が一番大事だそう。
どれだけ、階位、職階が良くても、身分が低いと、トータルのランクは低くなるみたい。
まー、たいていは、だいたい「階位」、「職階」、「身分」の3つは、比例関係にあると思うけど。

それで、この身分だけど、特級、一級、二級上、二級、三級、四級と、6階級に分かれている。
で、実は、神職を見たら、身分はすぐに分かるらしい。
というのも、服装で身分が分かるようになっているんだとか。
上に行けば行くほど、立派というか重厚な服装になるみたいです。
ちなみに、神職は、全国で2万人ほどいるようですが、特級の身分の方は70人ほどみたいです。

今回はこの辺で。

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