方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


ツァイガルニク効果

今回は、ツァイガルニク効果について。

このツァイガルニク効果、言いにくい。
噛まずに言えます?
言えないこともないけど、ちょっと難しい。

このツァイガルニク効果、知っている人は少ない。
でも、説明すれば、「あー、あれね」となる。
そう、名前は知らなくても、どういうことかはよく知っている。

まー、ここに書かれてある心理学の効果なんて、だいたいそんなもの。
素人が書いているんだから、そんな学術的だとか、難しい心理学を紹介するはずがない。
僕だって、調べて、理解して、それで書いているんだから。
一応だけどね。。。

で、このツァイガルニク効果、どういうものかと言うと、

「人間は達成できたことや完成した事柄よりも、失敗したり未完の事柄の方に強い印象を持つという効果」

と説明される。

例えば、我が家だと、夜、テレビを見ている。
で、たまに、妻の方が、先に寝ることがある。
で、翌朝になる。
そして、妻が、「昨日のテレビの続き、あれどうなったの?」って聞いてくる。

これが、分かりやすいツァイガルニク効果の例。
つまり、「続きが気になる」ということ。
で、だいたい、今の話でツァイガルニク効果の説明となる。

で、このツァイガルニク効果だけど、原型となる実験があった。
それは、リトアニアの心理学者だったブリューマ・ゼイガルニクが行ったもの。
ちなみに、ツァイガルニクとは、ゼイガルニクのドイツ語読み。
多分、合っているはず。
つまり、ツァイガルニクというのは、人の名前ってことね。

で、このツァイガルニクさん、図形を使った記憶の研究をしていたんだとか。
そこで、未完成の図形と完成した図形で、どっちをよく記憶しているかの実験をしていた。
すると、「完成した図形よりも、未完成の図形の方をよく記憶していた」という結果になったそう。

で、このツァイガルニクさんの実験には、こぼれ話がある。
大した話じゃないけど。
ツァイガルニクさん、カフェでよくコーヒーを飲んでいたそう。
で、店員さんを見ていて、あることに気が付く。
それは・・・

「店員さんは注文されたメニューをお客さんに出すまではしっかり覚えているのに、一旦出してしまうと、どのお客さんに何を出したかをほとんど覚えていない」

ということ。
で、ツァイガルニクさん、仕事の完成と記憶の間に何かあるのかと思ったらしい。
で、これが、図形と記憶の研究をするもとになったんだとか。

で、余談だけど、ツァイガルニクさんは、こんな人。

ツァイガルニクさん、女性だったんですね。
しかも、図形と記憶に関する論文を書いた時は26歳。
若くしてすごかったんですね。

すみません。
話を戻します。

今では、このツァイガルニク効果、色んな場面で使われるようになった。
最近だと、

・続きはWEBで。
・CMのあと、衝撃の事実。
・詳しく知りたい方は、こちらをクリック。
・私がダイエットに成功した理由は・・・
・楽にお金を稼ぎたいなら・・・

といったフレーズが使われるケースが多い。
ていうか、最近は、なんでもかんでもこのパターン。
もう、逆に、飽きてくる。。。

しかも、最後まで見てみたら、大したことない。
おいおい、時間返せよって言いたくなる。
あきらかに、煽りすぎ。
JAROに言いたくなる。

と、まー、このツァイガルニク効果、色々な場面で利用されていることは分かった。
そのおかげで、正直、またかと思う場面も増えた。
「いや、もういいって」となる。

ただ、このツァイガルニク効果、決して、こういう使い方ばかりじゃない。
例えば、よく、「失敗が人を成長させる」って言いますね。
これ、本当だと思う。
人生は、成功からよりも、失敗からの方が学ぶことが多いのも事実。
むしろ、失敗しないと分からないことだってあるのだ。

戦国時代、朝倉家の名将で、朝倉宗滴というのがいた。
けっこう有名なので知っている人も多いかと思う。
この朝倉宗滴は、朝倉宗滴話記という家訓を残している。
その中で、次のような文章がある。

「巧者の大将と申すは、一度大事の遅れに合ひたるを申すべく候」

つまり、名将と言うのは、一度、大敗北をした者だ、と書いてある。

例えば、戦国最強を誇った武田信玄。
彼もまた、若い頃は、戦に敗れて大敗北を二回も経験した。
しかし、それ以降は、戦に敗れることはなく、確実に領土を増やしている。

例えば、江戸幕府を開いた徳川家康。
彼は、若い頃に、武田信玄と戦い、大敗北をしている。
しかも、その戦で、家康はうんこを漏らしとか、ぶざまな姿を絵に描かせたとか、そんな逸話も残る。

例えば、有吉弘行さん。
彼もまた、若い頃、猿岩石でトップスターになるも、その後、売れない時期が続いた。
そんな有吉弘行さんが、たまに「お前、地獄見たことねえだろ!?」って突っ込む時があるのね。
で、僕も思わず笑ってしまうんだけど、まさにこれだと思う。

失敗したことや未完成の出来事、苦い経験は、決して忘れられるもんじゃない。
しかし、こういうことって、その人を大きく成長させることがある。
そして、僕は、これこそが、ツァイガルニク効果の正しい使い方だと勝手にそう思っている。

今回はこの辺で。

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