方丈記に、似た運命

― 懐かしい古典が、今、蘇る ―


毎月勤労統計~ジミーに大事な調査

今回は、毎月勤労統計について。

前回、雇用保険の追加給付の話をした。
で、この僕も、その対象になっていた。
で、楽しみに待っていた。

ちなみに、その追加給付の額だけど、

「1575円」

だった。
内心、少なっって思ったけど。

それで、ふつーは雇用保険の追加給付なんてないわけ。
ところが、今回、それが起きた。
で、問題は、なぜ、起きたか?

厚生労働省の説明によると、厚生労働省では、毎月勤労統計という調査をしているんだけど、

「毎月勤労統計の調査に不正があった」

からとあった。
それで、毎月勤労統計に調べようと思い、それをテーマにしてみた。
正直、そんなに面白くもないけど。
良かったらどうぞということで。

で、今回、次の三つのポイントから、毎月勤労統計について書きます。

●毎月勤労統計とは何か?
●毎月勤労統計と雇用保険の給付との関係
●毎月勤労統計の不正はどのようにして行われたのか?

●そもそも毎月勤労統計とは何か?
この毎月勤労統計って重要な調査だけど、知っている人は少ない。
というのも、正直、一般市民レベルで知っていおく必要はない。
僕も名前は知っていたけど、詳しい内容は知らなかった。

それで、この毎月勤労統計だけど、賃金、労働時間など雇用状況を見るために行われている。
で、知らなくても良いけど、国の重要な基幹統計の一つとなっている。

それで、具体的には、次の項目について調査を行っている。
・賃金(現金給与総額、きまって支給する給与、所定内給与、所定外給与、特別に支払われた給与)
・労働時間(総労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間、出勤日数)
・常用労働者数
※他にも調査項目はあります。

次に、調査の対象となる事業所について。
理想を言えば、国中の全ての事業所について調査を行うのに越したことはない。
ただ、現実的には無理ということで、原則として、従業員5人以上の事業所を対象としている。
ただ、これでも事業所の数が多すぎるため、実際には、事業所の規模に応じて、次のように調査しているらしい。

・従業員数500人以上・・・・全数調査
・従業員数30~499人・・・抽出調査
・従業員数5~29人・・・・・抽出調査

余談だけど、この毎月勤労統計の調査、いつから始まったと思いますか?
意外と歴史は古くて、大正12年から。
大正12年と言えば、西暦で言うと1923年で、関東大震災があった年。
今から約100年前からこの調査、行われていたことになる。
それだけ、国としても、この統計調査を重要視していたんだと思う。

●毎月勤労統計と雇用保険の給付との関係
この毎月勤労統計と雇用保険の給付がどういう関係なのかだけど、毎月勤労統計の調査項目の一つに「毎月きまって支給する給与」というのがある。
そして、これが、雇用保険の給付を行う際の基礎資料となっている。
つまり、雇用保険の給付の額は、毎月勤労統計を前提に計算されているので、毎月勤労統計がウソだと、雇用保険の給付の額もウソになってしまう。

参考までに、毎月勤労統計は、次のようなことに利用されている。

・雇用保険の基本手当日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の算定資料として、毎月きまって支給する給与を利用
・労災保険の給付基礎日額に乗じるスライド率の算定資料として、毎月きまって支給する給与の平均額の伸び率等を利用
・月例経済報告、経済財政白書等において、賃金等の動きを利用
・企業等の労働条件決定の際の参考資料

※厚生労働省の資料から。

●毎月勤労統計の不正はどのようにして行われたのか?
一番最後は、毎月勤労統計の調査の不正について。
なぜ、毎月勤労統計の不正が行われたのか?
上にも書いたけど、従業員500人以上の事業所については、全数調査をすることになっている。
ところが、全数調査をしていない地域があった。

それがどこかと言うと、東京都。
東京都は、従業員500人以上の事業所が1464あるらしいのね。
それで、実際に調査が行われていたのは、491の事業所だった。
まー、3分の1ね。

また、抽出調査をした場合には、その値を全数調査の値に近付けるために復元処理という処理を行う必要があった。
ところが、その処理も行われていなかった。
うーん、せめて、復元処理ぐらいはしとけよーって思ったけど。

それで、毎月勤労統計の調査に当たっては、手引きがあった。
そして、その中の文言に次のような変遷があったらしい。

従業員500人以上の事業所は、全数調査をしないといけないところ・・・

・2004年以降:「東京は抽出調査でよい」と記載あり。
・2015年以降:「東京は抽出調査でよい」と記載が消える
・2016年  :厚生労働省が総務省に提出した書類では、「全数調査を継続する」と虚偽の記述あり。

虚偽の記述はいけないよねー。
それでね、東京って、そもそも事業所の数が多い。
行政としても、提出された回答をきちんとチェックしないといけない。
分からないけど、めんどくさかったと思うよ。
調査が大変ということは、その確認作業だって大変なはずだから。
それが仕事だろって言われたら、それまでだけど。。。

それで、厚生労働省内でも、「これって、抽出調査でもいいんじゃね?」みたいな意見があったんじゃない?
それならそれで、復元処理をしておけば良かったのかもしれない。
ただ、結果的には、このあたりもうやむやのまま終わってしまったんでしょうか。

それで、「東京都=大企業集中地域」なので、東京都のデータが入らないと、日本全体として賃金の額が少なく出てしまうことになるのね。
そして、間違ったデータに基づいて失業保険を計算したために、雇用保険の給付額も少なくなってしまった。
これが毎月勤労統計の不正の流れらしい。

正直、こういった不正ってありがちだと思う。
ひと言で言うと、めんどくさくてしなかったというやつ。
僕も、全然種類は違うけど、全数検査を担当していたこともある。
で、抽出検査と比較して、全数検査は本当に大変だった。
だから、まー、分からないこともない。

ちなみに、今回の件があったことで、他の統計調査についても確認をしたらしい。
で、やっぱり、不適切な処理が散見されたとか。
分からないけど、こういうのって抽出検査でOKなら抽出検査でいいし、別に、手動で計算しているわけでもないんだから、プログラムを書き換えたり、別のプログラムを組んだりしたら、終わる話ではないの?
マクロを組む感覚で話して申し訳ないけど。。。

今回はこの辺で。

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